「家族という病/下重暁子」(幻冬舎新書)
家族とは何かについて、これまでちゃんと考えたことはありませんでした。
当然そこにあるもの、無意識的に属している集団であるという観念のまま、これまで過ごしてきたように思います。
この一冊は、家族について自分で考えるきっかけを与えてくれます。
著者は特に、家族といえども、あくまでも個人の集まりであるということを、この著書の中で主張されています。
ただ単に家族であるというだけで、盲信しない。
家族であれ、自分以外の個に期待してはいけない。
『家族は暮らしを共にする他人と考えた方が気が楽である』
この一節に、家族という固定観念に頼るのではなく、家族は共に暮らしていくパートナーであると捉え、お互いにより良く暮らしていくために努力し続けることが大切なのだという著者の思いを感じました。
<目次>
序章 ほんとうはみな家族のことを知らない
第一章 家族は、むずかしい
第ニ章 家族という病
第三章 家族を知る
第四章 旅立った家族に手紙を書くということ
読書時間:短 ■■□□□ 長
読み易さ:易 ■■■□□ 難
<一節ピックアップ>
「私達は家族を選んで生まれてくることは出来ない。産声をあげた時には、枠は決まっている。その枠の中で家族を演じてみせる。父・母・子供という役割を。家族団欒の名の下に、お互いが、よく知ったふりをし、愛し合っていると思い込む。何でも許せる美しい空間......。そこでは個は埋没し、家族という巨大な生き物と化す。家族団欒という幻想ではなく、一人ひとりの個人を取り戻すことが、ほんとうの家族を知る近道ではないか。」
<あわせて読みたい>
・「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法/橘玲」(幻冬社)
・「常識を疑うことから始めよう/ひすいこうたろう、石井しおり」(サンクチュアリ出版)
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