依存症ビジネスーー「廃人」製造社会の真実/デイミアン・トンプソン

2015年10月11日 00:00

『依存症ビジネスの上客になっていないか』

『依存症ビジネスーー「廃人」製造社会の真実』/デイミアン・トンプソン


「依存症」という言葉が生まれたのはいつのことでしょうか。

また、「依存症」という言葉がこんなにも身近になったのは、いつからのことでしょうか。

いま、一般的に使われるようになった「依存症」を、ビジネスの視点からアプローチする一冊です。

薬物、アルコール、ギャンブルから、オンラインゲームやカップケーキ(甘いもの)にいたるまで、依存性のあるものを「すぐに気分を良くしてくれるもの=フィックス」であると説明しています。

そのうえで、いかにこのフィックスを消費者に与えることができるかを考えるビジネスが、急激に拡大していることに警鐘をならしています。

この依存症ビジネスの拡大により、フィックスは「手に入りにくいもの」から「そこら中にあるもの」へと変貌し、消費者は知らぬ間に、必要以上の欲望を抑えるために『強い意思』を持たなければならなくなってしまいました。

時間やお金など、いたずらに浪費しているものがないか、振り返るきっかけとなる本だと思います。

<目次>

第1章 社会は私たちを「廃人」にしたがっている

第2章 依存症は本当に"病気"なのか?

第3章 なぜ自分を破滅に導く習慣をやめられないのか?

第4章 お買い物とヘロインとお酒の共通点とは?

第5章 スイーツはもはやコカインだ!

第6章 どこに行っても安く、大量に酒が手に入る世界で

第7章 処方箋薬がこれほどいい加減とは!

第8章 ゲームという新時代のギャンブル

第9章 「無料ポルノ革命」の衝撃

第10章 われらを誘惑から救いたまえ

<一節ピックアップ>

「つまり私たちは、予備知識のない消費者として、脳にどんな影響を与えるかほとんどわからない商品に、いよいよ惹きつけられるようになっているのだ。そういった製品が提供する、緊張を一挙に緩和してくれる快楽の効果にさえ、まったく気づかないかもしれないーー少なくとも、それなくして生きられなくなったことに気づくまでは。」

<あわせて読みたい>

「スタンフォードの自分を変える教室/ケリー・マクゴニガル」(大和書房)

「マーケット感覚を身につけよう 「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法/ちきりん」(ダイヤモンド社)

読書時間:短 ■■■■□ 長

読み易さ:易 ■■■□□ 難


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