「給料戦争/竹内謙礼、青木寿幸」(PHP文庫)
とある食品会社の営業課長・浅野が出張先のラオスで出会った「日本兵」花沢と、ときに励まし合い、ときにぶつかり合いながら、サラリーマンとしての自分の役割を再確認し、仕事で成果を収めていくサクセスストーリーの小説です。
出張先のラオスで浅野は、滝つぼで溺れ死にそうになっていた軍服姿の男・花沢を助けることになります。
花沢の言動から、彼が太平洋戦争終戦間近の時代からタイムスリップしてきたことを知る浅野。
もともと人の好い性格である浅野は、花沢を連れて帰国し、生活をともにするようになります。
一会社員として甘んじる浅野と、一軍人として覚悟を持つ花沢。
花沢の覚悟に感化され、会社員としての自分の役割を見直していく浅野は、徐々に仕事で大きな成果を上げていくことになり、やがて...。
旧日本軍という組織と、現代の会社という組織。
異なる組織の色の違いを、サラリーマンである自分自身の役割と合わせて見比べながら読んでみるのも面白いと思います。
読書時間:短 ■■□□□ 長
読み易さ:易 ■□□□□ 難
<一節ピックアップ>
「戦争に比べれば、会社同士の競争も、組織の中の競争も、死ぬこともないし、甘っちょろいかもしれない。それでも、俺たちだって、競争をして、勝負に勝たなければ、組織のみんなに高い給料を支払えないんだ。そのためには、組織の中で弱い奴を救ってばかりではなく、強い奴がみんなを引っ張っていく会社を作るべきなんだと思う。」
<あわせて読みたい>
・「ちょっと今から仕事やめてくる/北川恵海」(メディアワークス文庫)
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