「天才/石原慎太郎」(幻冬舎)
田中角栄元首相の一生を、一人称の視点で描いた一冊。
歴史、政治に疎い私でさえ、その名を知っているほどの人物。
田中角栄がどういう思想のもとに何を成してきたのかを知ることができました。
現在の交通インフラの礎となった日本列島改造論の発表、世界の大国情勢を先読みして実現した日中国交正常化など、日本国を富ませ、強くすることに尽力されました。
しかし首相退陣後にロッキード事件が発生。
田中角栄本人は最後まで法廷で争いましたが、有罪判決となります。
本書には、この事件が米国による工作であったと窺わせる表現があり、それは翻って、他国の圧力を受けるほどの功績を残した人物であったのだという印象を持つことになりました。
これを機に、日本の近現代政治史について学びたいと思います。
読書時間:短 ■■□□□ 長
読み易さ:易 ■■□□□ 難
<一節ピックアップ>
「その時俺が悟ったのはこの世の中の仕組みなるものについてだった。金も含めて、この世をすべてしきっているのは、大なり小なりお上、役人たちがつくっている縦の仕組みなのだ。ならばそれを自在に使う立場の人間とは一体誰なのだということだった。その時の認識というか、一種の目覚めこそがそれからの俺の出発点となったと思う。」
<あわせて読みたい>
・「おとなの教養―私たちはどこから来て、どこへ行くのか?/池上 彰」(NHK出版)
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