「あるキング/伊坂幸太郎」(徳間文庫)
ウィリアム・シェイクスピアの著作「マクベス」。
その作品の一節にある「Fair is foul, and foul is fair」の真意に迫ろうとするストーリー。
山田王求(おうく)は、まさに生まれる前からプロ野球選手になることが宿命づけられていた。
小学生になると、リトルリーグではすでに頭角を現してはいるものの、あまりの出来の良さに相手チームからは毎回敬遠される存在であった。
中学、高校に入ってもその力は衰えず、絶えずスカウトに注目されて存在ではあったが、プロへの道は順風満帆ではなく、むしろ多くの障害が王求を襲い掛かる。
正直に真面目に野球に打ち込んできた王求。
その力も充分過ぎるほどあるにもかかわらず、なぜ順調に事が進まないのか。
「フェア イズ ファウル、ファウル イズ フェア」(良いは悪い、悪いは良い)。
一般的ではないものに対する大衆の群衆心理の怖さを垣間見ることのできる作品でした。
読書時間:短 ■■■□□ 長
読み易さ:易 ■□□□□ 難
<一節ピックアップ>
「個性を大事にしろと言われるが目立った人間は潰される」
「それが世の中の常だ。目くじら立てることではあるまい」
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