「死神の浮力/伊坂幸太郎」(文春文庫)
前作「死神の精度」に続き、死神『千葉』と、その担当する人間『山野辺』との7日間を描いた長編書下ろし小説。
誘拐され殺された山野辺の娘・菜摘の喪に服し、生きる希望を失いつつある山野辺夫妻。
犯人は逮捕されたものの、裁判で逆転無罪の判決が下る。
自宅にはマスコミの記者が集まり、山野辺の様子を絶えず伺う。
いつまでこうした生活が続くのか。
するとそこに、自転車(ママチャリ)で登場する見慣れない人影が。
保育園の同級生だという『千葉』を自宅に招き入れる山野辺。
ここから死神を巻き込んだ犯人への復讐劇が始まる。
今作も、『千葉』の世間ずれした言動と、人間観を大いに楽しむことができました。
読書時間:短 ■■■□□ 長
読み易さ:易 ■□□□□ 難
<一節ピックアップ>
「普通、人間たちは誰か別の人間との関係で満足を得ようとするものなんだ。助けあったり、愛情を確認し合ったり、たとえば、優越感や嫉妬といった感情も、生きる原動力の一つだ。でも、『良心を持たない』彼らには、感情はほとんど意味がない。だから、彼らが唯一、楽しめるのは」
「楽しめるのは?」
「ゲームで勝つこと。そうらしい。支配ゲームに勝つことが、彼らの目的なんだ。」
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