「新しい道徳 いいことをすると気持ちがいいのはなぜか/北野武」(幻冬舎)
北野武氏が現代の日本教育にある道徳について、独自の観点から「ツッコミ」を展開している一冊です。
広義の道徳というものは決して不変なものではなく、時代や環境によってその中身は変化し続けていくものだと思います。
明治時代の道徳、昭和初期の道徳、高度経済成長期の道徳、そして現代の道徳が同じであるはずがありません。
与えられる道徳とは、あくまで「便宜を図るもの」でしかなく、それは翻って良心を麻痺させてしまうものにもなりかねません。
「良心は道徳を造るのかも知れぬ。しかし道徳は未だかつて、良心の良の字も造ったことはない(芥川龍之介)」
北野武氏がこの書籍に書いているように、広義の道徳についてはしっかりと自分の頭で考えられる様になり、また自分の良心から自分の道徳を造ることが大切なことではないかと感じました。
<目次>
第一章 道徳はツッコみ放題
第二章 ウサギはカメの相手なんかしない
第三章 原始人に道徳の心はあったか
第四章 道徳は自分で作る
第五章 人類は道徳的に堕落したのか?
読書時間:短 ■■□□□ 長
読み易さ:易 ■□□□□ 難
<一節ピックアップ>
「道徳なんてものは、権力者の都合でいくらでも変わる。少なくとも、いつの時代も、どんな人間にとっても通用する、絶対的な道徳は道徳はないっていうことは間違いない。それだけは頭に入れておいた方がいい。」
<あわせて読みたい>
・「覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰/池田貴将」(サンクチュアリ出版)
・「それでもなお、人を愛しなさいー人生の意味を見つけるための逆説の10カ条/ケント・M・キース」(早川書房)
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