「ラッシュライフ/伊坂幸太郎」(新潮文庫)
金で買えないものはないと豪語する画商の「戸田」と、同行する画家の「志奈子」。
ピッキング窃盗を繰り返す、インテリ泥棒「黒澤」。
メディアで一躍有名となった新興宗教にのめり込む「河原崎」。
お互いの伴侶を殺し、再婚を企てる「京子」と「青山」。
リストラという不遇を味わって間もない「豊田」。
それぞれのドラマが並行して綴られた長編小説。
どのストーリーも濃厚に描かれていて、とても面白いです。
そしてラストは、一見何の接点もないすべてのドラマが驚くようなかたちで1つの点で交差します。
多くの登場人物をとおして、伊坂幸太郎さんが伝えたかった「ラッシュライフ」とは、どのような人生なのか。
最後まで興奮しっぱなしの一冊でした。
読書時間:短 ■■■□□ 長
読み易さ:易 ■□□□□ 難
<一節ピックアップ>
「未来が見えないことがこれほどまでに苦しいとは知らなかった。ベンチの前を人が次々と進んでいく。奇妙な行列だ。彼らは戦場へ向かう兵士に見えるし、餌を探す虫にも見えた。不気味だった。それなのに、自分はあの行列に戻りたがっている。」
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