『グラスホッパー/伊坂幸太郎』(角川文庫)
亡き妻の復讐を果たすべく、裏業界に潜入しその機会を待つ「鈴木」。
いよいよ敵(かたき)と対面か、といった矢先に起きた事故。
その瞬間から、殺し屋たちによる息もつかせぬ物語が「鈴木」に襲いかかります。
「押し屋」「鯨」「蝉」など、多彩な殺し屋たちが活躍するストーリーに、読む手が止まりませんでした。
「どんな動物でも密集して暮らしていけば、種類が変わっていく。黒くなり、慌ただしくなり、凶暴になる。気づけば飛びバッタ、だ。」
殺し屋たちを昆虫界の群集相の比喩とした表現が印象深い一冊でした。
<一節ピックアップ>
「「動物にね、『どうして生き残ったんですか』ってたずねてみてよ。絶対にこう答えるから。『たまたまこうなった』って」つまり、あれこれ策を弄して、必死に頭を悩ますのは人間の悪しき点だ、と彼女は言いたかったのかもしれない。」
<あわせて読みたい>
・「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?/フィリップ・K・ディック」(ハヤカワ文庫SF)
・「キャプテンサンダーボルト/阿部 和重、伊坂 幸太郎」(文藝春秋)
読書時間:短 ■■■□□ 長
読み易さ:易 ■□□□□ 難
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