知識をつける!
「乱読のセレンディピティ/外山 滋比古」(扶桑社)
いろいろな読書術があるなか、乱読というものはあまり耳慣れないものでした。
手当たり次第に本を買って読む積極的な乱読によって、セレンディピティ(思いがけない発見)が起こると著者はいっています。
偶然による科学的な発見などにみられるように、セレンディピティは文明を進め、人智を拡げます。
読み進めていくなかで、スティーブ・ジョブズが2005年に行ったスタンフォード大学でのスピーチの中に「点と点をつなげる」というテーマがあったのを思い出しました。
読書ではないにしても、こちらも乱読に通じるものがあるように思います。
専門を極めることと同じように、乱読により新しい思考のセレンディピティを起こすことも、これから大事な選択肢のひとつとなるのではないかと感じました。
また、この書籍では乱読のことだけでなく、乱談(おしゃべり)、散歩、また忘却の必要性などを教えてくれます。
目的のある読書を続けるうえで、大変参考になる一冊です。
<目次>
1 本はやらない
2 悪書が良書を駆逐する?
3 読書百遍神話
4 読むべし、読まれるべからず
5 風のごとく......
6 乱読の意義
7 セレンディピティ
8 『修辞的残像』まで
9 読者の存在
10 エディターシップ
11 母国語発見
12 古典の誕生
13 乱談の活力
14 忘却の美学
15 散歩開眼
16 朝の思想
<一節ピックアップ>
「いろいろなジャンルの本を、興味にまかせて読んでいく。ひとつの専門にたてこもっていると、専門バカになるおそれがあるけれども、乱読なら、そうはならない。それどころか、専門主義、瑣末主義が見落としてきた大きな宝をとらえることが可能である。」
<関連書籍>
・「レバレッジ・リーディング/本田直之」(東洋経済新報社)
読書時間:短 ■■■□□ 長
読み易さ:易 ■■□□□ 難
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