2016年10月

2016年11月06日 00:00

『大隅氏、ノーベル賞』ほか 

2016年10月は、ノーベル賞受賞者の発表に大きく沸きあがりました。

日本では、東京工業大の大隅良典栄誉教授がノーベル医学生理学賞を受賞し、これまでの研究活動が称えられました。

さらには、米国の伝説的ロックシンガー、ボブ・ディラン氏にノーベル文学賞が授与されるとの発表に世界が騒然となりました。

いまだに本人からの授与に関する連絡はないようですが、それも含め賛否両論話題となりました。


政治では、コロンビアで和平合意の是非が国民投票により反対され、協議が継続される事態となり、またハンガリーではEUによる難民受け入れ分担を巡る国民投票で98%が反対票を獲得するなど、「ポピュリズム」主導による政治の危うさを目の当たりにしました。

これまで親米であったフィリピンが中国寄りに政策を変えました。

日本では自民党総裁の任期延長が決定されました。

大国のパワーバランスが変わりつつある中、各国さまざまな思惑で政策転換している様子が伺える月でした。

「人民元、IMF主要通貨入り」(10月1日付)
 中国の人民元が1日、国際通貨基金(IMF)の主要通貨に加わった。世界最大の貿易国の通貨として存在感の増す人民元を、中国はドルなどと並ぶ国際通貨に育てたい考えだ。

「大隅氏、ノーベル賞」(10月4日付)
 スウェーデンのカロリンスカ医科大は3日、今年のノーベル医学生理学賞を、東京工業大の大隅良典栄誉教授(71)に贈ると発表した。授賞理由は「オートファジー(自食作用)の仕組みの発見」。細胞が自分自身の一部を分解し、栄養源としてリサイクルしたり、新陳代謝したりする仕組みを明らかにした。様々な生物に共通する根源的な生命現象の謎を解いた。

「コロンビア和平、反対多数」(10月4日付)
 南米コロンビアで2日、政府と左翼ゲリラ・コロンビア革命軍が交わした和平合意の是非を巡る国民投票が行われ、反対票が賛成票を上回った。半世紀以上の内戦に終止符を打った和平交渉は、一転して継続が決まった。

「ハンガリー、難民受け入れ巡る国民投票」(10月4日付)
 欧州連合(EU)が決めた加盟国による16万人の難民受け入れ分担をめぐり、ハンガリーで2日に行われた国民投票は有効投票が有権者の過半数に達せず、成立しなかった。ただ、受け入れ反対が有効投票の98%と「賛成」を圧倒した。

「シリア停戦合意、崩壊」(10月5日付)
 シリア内戦を止めるため、米国とロシアが主導した停戦合意が失敗に終わった。双方が非難合戦を繰り返し、現地では戦闘が再燃する中、米国が3日、協議の打ち切りをロシアに通告した。

「コロンビア大統領にノーベル平和賞 」(10月8日付)
 ノルウェーのノーベル委員会は7日、2016年のノーベル平和賞を、半世紀に及ぶ左翼ゲリラ・コロンビア革命軍との内戦終結に向けて和平協議を主導し、合意にこぎ着けた南米コロンビアのフアン・マヌエル・サントス大統領(65)に授与すると発表した。

「阿蘇山、36年ぶり爆発的噴火」(10月9日付)
 熊本県の阿蘇山の中岳第1火口で8日午前1時46分ごろ爆発的噴火が発生し、高さ約1万1千メートルの噴煙が気象衛星で観測された。中岳第1火口での爆発的噴火は1980年1月26日以来、36年ぶり。

「東京、大規模停電が発生」(10月13日付)
 12日午後3時半ごろ、東京都内で停電が発生し、豊島区や練馬区を中心に都心部を含む約58万6千戸が一時停電した。東京電力によると、埼玉県新座市野火止7丁目の地下に設置された電力ケーブルで漏電、火災が起きたのが原因とみられるといい、午後4時25分ごろには復旧した。

「ボブ・ディラン氏、ノーベル文学賞」(10月14日付)
 スウェーデン・アカデミーは13日、今年のノーベル文学賞を米国のミュージシャンで作詞家のボブ・ディランさん(75)に授与すると発表した。授与理由を「偉大な米国の歌の伝統に新たな詩的表現を作り出した」とした。

「タイ、プミポン国王死去」(10月14日)
 タイのプミポン・アドゥンヤデート国王(88)が13日午後、バンコクの病院で死去した。「社会の安定の要」である国王の死去で社会に動揺が広がる可能性がある。

「ソフトバンク、10兆円ファンド設立」(10月15日付)
 ソフトバンクグループとサウジアラビアの政府系ファンド「PIF」が、最大10兆円規模の投資ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」を共同で設立する。世界トップ級の規模になる可能性があり、ベンチャー企業だけでなくIT系の大企業への巨額投資も視野に入れる。

「TV、ネットで同時配信へ」(10月19日付)
 総務省は、テレビ番組をインターネットで同時に配信する「ネット同時配信」を2019年にも全面解禁する方針を固めた。NHKのネット同時配信を制限している放送法を改正し、民放にも参入を促す。ネットでNHKを見る人から受信料を取る仕組みについても議論を始める。

「自民党総裁任期、延長決定」(10月20日付)
 安倍晋三首相(自民党総裁)が2018年の総裁選に、3選を目指して立候補できることになった。党・政治制度改革実行本部が19日の役員会で、現行の「連続2期6年」からの総裁任期延長を決めたためだ。

「中比、南シナ海棚上げ」(10月21日付)
 中国を訪問したフィリピンのドゥテルテ大統領と習近平国家主席が20日、北京で会談し、南シナ海の領有権問題について、対話を通じ「摩擦を適切に処理する」ことで一致した。ドゥテルテ氏は、南シナ海問題の本格協議を棚上げし、中国からの経済支援や関係改善を優先した形だ。

「鳥取、震度6弱」(10月22日付)
 21日午後2時7分ごろ、鳥取県中部で震度6弱の地震を観測した。中国地方を中心に関東から九州の広い範囲で揺れが観測された。

「三笠宮さま、逝去」(10月28日付)
 昭和天皇の末弟で天皇陛下の叔父にあたる三笠宮崇仁さまが27日午前8時34分、東京都中央区の聖路加国際病院で亡くなられた。心不全で100歳だった。

「核兵器禁止条約決議、日本反対」(10月29日付)
 国連総会第1委員会で27日、核兵器を法的に禁止する「核兵器禁止条約」について来年から交渉を始めるとの決議が、123か国の賛成多数で採択された。核保有国の米ロ英仏などは反対したが、唯一の戦争被爆国である日本も反対に回り、被爆者らから厳しい批判が出ている。


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