「ガソリン生活/伊坂幸太郎」(朝日文庫)
スキャンダルの渦中にある有名女優が、自動車事故によって突然の事故死。
物語は、この出来事を中心に描かれていきます。
面白いのは、主人公からの視点だけではなく、主人公の愛車の視点からも同時に物語が進行していく点。
まるでアニメ映画「カーズ」を彷彿させる、車種によるキャラクタ設定や車同士の会話。
読んでいてとてもワクワクするものでした。
この作品のテーマの1つに「ニュースの在り方」というものがあるかと思います。
ニュース記事を作る記者は、ほんとうに知らせたいニュースを作っているのか。
それとも一般的にウケのよい、視聴者に好んで読まれるニュースを作っているのか。
後者であれば重要なニュースは他に埋もれ、当のニュースの真相も二の次になってしまうかもしれません。
しかし、現実のニュース記事もそれに似たようなものではないのか。
フィクション小説に必ず存在する潜在的なテーマ。
今回はそうしたニュースに対する風刺を感じた一冊でした。
<目次>
Low
Drive
Parking
エピローグ
読書時間:短 ■■■□□ 長
読み易さ:易 ■□□□□ 難
<一節ピックアップ>
「『芸能人がくっついたり離れたりするニュースなんてくだらない』とよく訳知り顔で言う奴がいるだろ?俺たちが、それを知らないと思ってるのか。くだらない、と分かってるに決まってるだろうが。百も承知だ。ただ、そういった記事があれば、読みたくはなるんだ。たとえば、スナック菓子がなくても、人間は生きていけるだろ?栄養価があるとも言えない。じゃあ、栄養がないんだからスナック菓子を作るな、と君たちは思うか。栄養がなくとも、スナック菓子を食べたくなる人は多い。製造する会社があってもおかしくはないだろ」
<あわせて読みたい>
・「一九八四年[新訳版]/ジョージ・オーウェル」(ハヤカワepi文庫)
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