「おとなの教養―私たちはどこから来て、どこへ行くのか?/池上 彰」(NHK出版)
教養(リベラルアーツ)とは「人を自由にする学問」を意味し、古代ギリシャ時代に源流をもつ、学問の基本とされる七科目(文法、修辞学、論理学、算術、幾何学、天文学、音楽)のことを指します。
この一冊は、池上彰氏が教養を「自分自身を知る」ための学問として捉え直し、そのために必要な知識を現代の自由七科(宗教、宇宙、人類の旅路、人間と病気、経済学、歴史、日本と日本人)として紹介しています。
教養というものは一朝一夕で身につくものではなく、またすぐに役立つというものでもありません。
しかし、物事を自らの頭で深く理解するために必要な学問であり、そしてその理解の蓄積が自分自身のさらなる進歩をもたらしてくれるのだと思います。
「すぐに役立つことは、すぐに役立たなくなる」
いかなる環境、時代であっても、しっかりと自分の頭で考えるためにも、教養は身につける必要のあるものだと感じさせてくれる一冊でした。
<目次>
序章 私たちはどこから来て、どこへ行くのか?
第一章 宗教
第二章 宇宙
第三章 人類の旅路
第四章 人間と病気
第五章 経済学
第六章 歴史
第七章 日本と日本人
読書時間:短 ■■■□□ 長
読み易さ:易 ■■□□□ 難
<一節ピックアップ>
「学ぶという営みは、必ず過去の蓄積を下地にしています。歴史が書き換えられることもあるし、新しい科学的な発見が生まれることもある。でもそこには必ず、過去の下地や蓄積がありました。過去を見直すことによって、学問は発展し成長するということです。現代の私たちの前には、過去の膨大な蓄積があります。そして、この過去の蓄積を生かすことで、進歩という言葉が適切かどうかはわかりませんが、私たちはそれまでより豊かな暮らしや社会を築くことができるようになると思います。」
<あわせて読みたい>
・「新しい道徳 いいことをすると気持ちがいいのはなぜか/北野武」(幻冬舎)
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