「オーデュボンの祈り/伊坂幸太郎」(新潮文庫)
コンビニ強盗に失敗した主人公「伊藤」。
警察の「城山」に護送される途中に意識を失い、目を覚ますと、そこは地図にない島「萩島」だった。
外界との交流を断ったこの島で、「伊藤」は『この島にはない、なにかを持ってくる者』として、すでに来島を予言されていた。
その予言をしたのは、話す案山子の「優午」。
「優午」には未来が見えるらしい。島民は皆「優午」を信頼し、これまで長い年月「優午」を中心とした生活を送っていた。
しかし「伊藤」が島に来た翌日、「優午」は何者かによって壊さ(殺さ)れてしまう。
「優午」の存在を失ってしまった萩島はどうなってしまうのか。
そもそも「優午」という存在は何なのか。
そして「伊藤」が持ってくると予言されている「何か」とは?
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ファンタジーとも感じられる個性豊かな登場人物たちの会話、次々に起こる不思議な事件に、引き込まれること間違いなしの一冊です。
登場人物の中で、個人的には「桜」がお気に入りです。
島のルール「桜」の『理由になってない』という決め台詞。最高にクールです。
<一節ピックアップ>
「枕元の絵葉書を、横目で確認した。優午のことを考える。信じられないことばかりだったが、しゃべるカカシには、すでに違和感がなかった。人間は慣れる動物である。そうして、飽きる動物である。だらだらと生きる。若者は時間を持て余し「何か面白いことないかな」と愚痴る。諸悪の根源とは、そのあたりにあるのではないだろうか。」
読書時間:短 ■■■□□ 長
読み易さ:易 ■□□□□ 難
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