『マリアビートル/伊坂幸太郎』(角川文庫)
「グラスホッパー」の続編ということで、2冊続けて読みました。
「黒いトランク」を中心に織りなされる「木村」「王子」「蜜柑と檸檬」そして「天道虫」の物語。
舞台は東京発盛岡行きの新幹線の車内。
限られた時間とスペースの中で、様々な事故や事件が巻き起こり、殺し屋たちの悪戦苦闘する姿に、時を忘れて読み込んでしまいました。
「マリア様の七つの悲しみを背負って飛んでいく。だから、てんとう虫はレディビートルと呼ばれる。」
登場人物の1人「天道虫」に注目して読み進めると面白いかもしれません。
<一節ピックアップ>
「人はね、周囲の人間の影響を受けて、行動するってことだよ。人間は理性じゃなくて、直感で行動する。そして、自分の意思で何かを決断しているように見えても、まわりの人間から刺激や影響を受けている。自分は独立した、オリジナルな存在だと思っていたところで、グラフを構成する一員に過ぎないってこと。いい?たとえば、誰かが、『自分の好きなように行動していいですよ』と言われたら、まずどうするか分かる?他の人を窺うんだよ。好きに行動していい、と言われたのに、だよ。自由意思で行動していいのに、他人を気にするんだ。特に『正解がはっきりしなくて、重要な問題』ほど、人は他人の答えを真似する。可笑しいでしょ。でもね、人はそうできている」
<あわせて読みたい>
読書時間:短 ■■■■□ 長
読み易さ:易 ■□□□□ 難
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