ゴールデンスランバー/伊坂幸太郎

2015年08月22日 00:00

『抗えない強大な権力が敵になったとき』

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ゴールデンスランバー (新潮文庫)

ゴールデンスランバー/伊坂幸太郎」(新潮社)


監視システム「セキュリティポッド」が街中に設置されている世界。

テレビ中継のなかで起きた首相爆殺事件の犯人として追われる身となった主人公。

メディアで公開される主人公の情報は、すべて身に覚えのない加工されたものばかり。

しかし、世間がすべて敵となった中でも、主人公を信じる登場人物が監視の目をくぐりながら、その逃走劇を支援する。

『人間の最大の武器は、習慣と信頼だ』

この言葉を信じ、主人公は果たして逃げ切れることができるのか。

読み出したら止まらない、スピード感溢れる一冊です。

<一節ピックアップ>

「思えば俺たちってさ、ぼうっとしている間に、法律を作られて、税金だとか医療の制度を変えられて、そのうちどこかと戦争よ、って流れになっていても反抗ができないようなっているじゃないですか。何か、そういう仕組みなんだよ。俺みたいな奴がぼうっとしてる間にさ、勝手にいろいろ進んでるんだ。前に読んだ本に載っていたけど、国家ってさ、国民の生活を守るための機関じゃないんだって。言われてみれば、そうだよね」

<あわせて読みたい>

「キャプテンサンダーボルト/阿部 和重、伊坂 幸太郎(文藝春秋)

「土漠の花/月村了衛」(幻冬舎)

読書時間:短 ■■■■□ 長

読み易さ:易 ■□□□□ 難


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★★ (12)
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投票の合計: 49

コメント

ゴールデンスランバー

さゆり 2015年08月22日
わたしも同じようなこと感じることがあって、ありえる話ですね。
書評だけで読んだ気分になれました。

Re:ゴールデンスランバー

管理人 2015年08月24日
さゆりさん、コメントありがとうございます(^-^)
フィクションだけど、どこか現実味を感じる作品でした。
登場人物の台詞をもって、社会を風刺しているところが面白いと思います(^-^)

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