「世界史の極意/佐藤優」(NHK出版新書)
私たち日本人にとって、世界史はあまり身近なものではないかもしれません。
しかし、グローバル化が進む現在、特にビジネスパーソンは外国語の能力だけでなく、国際的な感覚が求められるようになったと佐藤氏は書いています。
ここでいう国際的な感覚とは、 現在の国際情勢がどのような歴史を積み重ねて現在に至っているのかを正確に認識し、これから起きるであろう出来事について、アナロジカル(類推的)に考えることのできるセンスです。
国際情勢の今後をアナロジカルに考えるためには、世界史をゲシヒテ(歴史上の出来事の連鎖には、必ず意味があるという概念)で捉える必要があります。
しかし、日本での歴史教育においては、歴史をヒストリ(年代順に出来事を客観的にみるという概念)で捉えるため、アナロジカルに世界史をみるためには、その思考を自ら培わなければなりません。
この一冊は、「資本主義と帝国主義」「民族とナショナリズム」「キリスト教とイスラム」の3つのテーマから世界史を振り返り、現下の世界のあり方を正確にとらえて、時代を生きぬく知恵を探るものです。
日々のニュースで報道される国際情勢をより深く理解することができ、また、現在が歴史の積み重ねの先端であるということを感じることのできる一冊です。
<目次>
序章 歴史は悲劇を繰り返すのか?
第一章 多極化する世界を読み解く極意
第ニ章 民族問題を読み解く極意
第三章 宗教紛争を読み解く極意
<一節ピックアップ>
「ヒト・モノ・カネが国境を越えてめまぐるしく移動する現在、ビジネスパーソンには国際的な感覚が求められています。そのためには、外国語を身につけるだけでは十分でありません。現下の国際情勢が、どのような歴史の積み重ねを経て成立しているのかを正確に認識し、状況を見通す必要がある。」
<あわせて読みたい>
・「池上彰のこれが「世界のルール」だ!/池上彰」(文藝春秋)
・「日本の論点(2015~16)/大前研一」(プレジデント社)
読書時間:短 ■■■□□ 長
読み易さ:易 ■■■□□ 難
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