『「ズルさ」のすすめ/佐藤優』(青春出版社)
「人間関係」は、人が豊かに生きていくためにとても大切なものです。
しかし、全ての人間関係が人生を豊かにするわけではありません。
そこで、人間関係にストレスを感じがちな会社、役所、学校、世間などでは適宜「ズルさ」を発揮して、そのストレスを極小にする。
そして、自分の大切にしたい家族、友だち、恋人とは「ズルさ」を抜きにした人間関係を作る。
このように「ズルさ」をうまく使いこなし、メリハリをつけることによって、本当に大切にしたい人と誠実な人間関係を作り上げていく。その手段を教えてくれる一冊です。
著者の佐藤氏は、 「ズルさ」を身につけるためには、問題を直視すること、時間の奴隷とならないこと、教養を身につけること、複数の価値観を持つことなどが必要であるとし、外交官時代の体験談とともに、その理由と重要性を説明されています。
特に、問題を直視することについては、何を問題にすべきかということに触れてあり、「解決可能か」「解決不可能か」「緩和できるか」の3点で問題をみることが重要であるという佐藤氏の意見にはたいへん共感を持ちました。
また、世の中に溢れる「疑似問題(本来、問題となりえない問題)」を見抜き、振り回されないようにすることも大切なことだと思います。
「ズルさ」というとネガティブな印象を抱きがちですが、自分を守るため、また自分の大切な人を守るためにも、身につけておきたい技術のひとつであると感じました。
<目次>
第1章 人と比べない
第2章 問題から目をそむけない
第3章 頭で考えない
第4章 時間に追われない
第5章 酒に飲まれない
第6章 失言しない
第7章 約束を破らない
第8章 恩を仇で返さない
第9章 嫌われることを恐れない
第10章 人を見た目で判断しない
第11章 上下関係を軽んじない
<一節ピックアップ>
「誤解しないでほしいが、私は読者に狡猾な利己主義者になることをすすめているのではない。会社、役所、学校、世間などでは、適宜「ズルさ」を発揮して、ストレスを極少にする。そして、自分が本当に大切にする家族、友だち、恋人とは、「ズルさ」や駆け引きを抜きにした、誠実な関係をもつ。複雑な世の中を生き抜いていくには、メリハリをつける必要があるということを伝えたいのだ。」
<あわせて読みたい>
・「ゴール ー 最速で成果が上がる21ステップ/ブライアン トレーシー, 早野 依子(訳)」(PHP研究所)
読書時間:短 ■■□□□ 長
読み易さ:易 ■■□□□ 難
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