「世界にひとつしかない「黄金の人生設計」/橘玲」(講談社+α文庫)
一般的な日本人の家計支出において、住宅ローン(不動産)と保険が大きな割合を占めていると言われています。
この書籍は、この不動産と保険という商品について、経済的合理の観点から解説されているものです。
また、日本の年金制度、国民皆保険制度についても、現状と将来について考察されています。
まず不動産について。
今もなお根強く残るマイホームという目標ですが、そもそもなぜ不動産を所有することが目標となったのか。
高度経済成長期からバブル絶頂期にかけて「不動産神話」が生まれた背景とともに、現在の不動産価値をどう見るかについて説明されています。
また民間の各種保険については、保険という金融商品の仕組みから、保障というものの捉え方など、保険商品の購入や見直しに役立つ情報が書かれています。
マイホームも保険も「感情のバイアス」が強くはたらくものであるため、購入の判断は人それぞれ大きく異なるものでしょうが、経済的合理の観点を指標にすることの重要性を教えてくれる一冊です。
<目次>
第1部 不動産は人生にとってほんとうに必要か?
第2部 6歳の子どもでもわかる生命保険
第3部 ニッポン国の運命
第4部 自立した自由な人生にむけて
<一節ピックアップ>
「この日本という国では、30歳をすぎる頃から、ほとんどの人が「家を持ちたい」という不可思議な"衝動"に駆られます。しかし、この"衝動"に合理的な根拠があるのかどうか、検証されることはめったにありませんでした。なぜかというと、金融・建設・不動産業など、この国のドメスティックな(土着の)経済を支えている大きな部分が、「家を持て」「一国一城の主になれ」と国民をマインド・コントロールすることによって莫大な利益を得てきたからです。」
<あわせて読みたい>
・「さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学/山田真哉」(光文社新書)
・「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方(2015) 知的人生設計のすすめ/橘玲」(幻冬舎)
読書時間:短 ■■■□□ 長
読み易さ:易 ■■■■□ 難
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